PR

バッテリーを交換してみた

EventfulEncounters

日産セレナ(C26)。

わが家のいささか古めかしい愛車です。

十数年前に超高級車で始まったLEDヘッドライトは、急速に高機能化しましたが、同時に爆速で大衆化もしました。今ではちまたを走るクルマの顔は一新され、目が細く小さい「イケ顔」が幅を利かせています。ハロゲンバルブのわが家のセレナはだんだんと車幅が狭くなっている感じです。

しかし、クルマにお金を注ぎ込む余裕がないわが家では、この先もまだまだこの「旧車」セレナを買い替える余裕はありません。

写真は前期型 20G。わが家のセレナは後期型の20G S-HYBRIDだが、外見はほぼ一緒。こうやって見るとやはり一昔ひとむかし二昔ふたむかし前のデザイン感。(TTTNIS, CC0, via Wikimedia Commons)

発端

新車に代替わりできない(しない)理由はもちろん慢性金欠症を患っているからですが、走行距離が少ないことも心理的な言い訳として働いています。わが家のセレナは基本的に駐車場の置物なんです。

それでもワイパーは半年ほどで拭き取りが悪くなりますし、タイヤも換えて三年くらいかな?へりには年寄りの踵のようなヒビが入っています。

一番の問題は車検でして、二年ごとのまとまった大出血に、「もうクルマは処分しちゃってカーシェアにしようか?」と言う話題が夫婦の間で毎回出ます。それでもマイカーを所有し続けている理由は、5人家族のわが家にとってコンパクトカーではサイズが足りない気がしているからです。

車両台数は50,000台を超え、急成長を続けるカーシェアリング。中でも圧倒的ガリバーがタイムズカー。ステーション数、車両台数ともに7割以上の市場シェアを占める。岡山にも300台以上の車両を準備するが、東京の車両は何と12,000台を超える規模。コンパクトカーに乗るなら魅力しかないサービス。(© 2019 kukurunbo)

そして数日前。

ついにバッテリーも死亡しました。

駐車場から出そうとスタートボタンを押しても、噛み殺したクシャミのような音を数回立てるだけでエンジンが掛からなくなりました。

鉛バッテリー

車載用のバッテリーに使われている鉛蓄電池についての詳しい考察は、「鉛シリーズ」の#4くらいでまたやるとして、鉛バッテリーの最大の利点は、ほとんど満タンに電気が溜まっている状態で充電を何度繰り返してもバッテリーの性能が落ちない点にあります。 また最大の欠点は、電気がカラッ欠に近い状態で放置すると能力がグッと下がってしまう点です。

深い放電を繰り返すアイドリングストップ車用バッテリーの保証期間は驚くほど短い。そして驚くほど高価。(© 2019 kukurunbo)

鉛蓄電池はその内部で鉛と希硫酸が化学反応を繰り返すことで充放電しているのですが、放電中に電極は硫化鉛(PbSO₄)に変化します。その時に硫化鉛はわりと結晶化しやすく、これは「サルフェーション(sulfation=硫酸抱合)現象」などと言われるのですが、電極に白っぽいモノができます。普通に使用すればその白っぽい結晶は充電中に他の硫化鉛と一緒にスーッと消えて無くなるんですが、結晶がちょっと残ったまま(=あまり充電ができていない状態のまま)で長い間車に乗らなかったりすると結晶がガンコになって溶けなくなります。この「ガンコになって溶けない」ということは「=化学反応を起こさない」わけですから、その部分は電池としての機能が失われ、徐々にバッテリーの性能が落ちます。クルマの「バッテリーの劣化」と呼ばれる現象のほとんどがコレです。

鉛蓄電池の構造。(Ultrabem, CC0, via Wikimedia Commons)

また、室内灯を点けつけっぱなしにしたりして「バッテリーあがり」を起こしてしまった経験がある方は結構おられると思うのですが、これはクルマのバッテリーにとってはかなり致命的なハプニングで、バッテリーの電気が抜けて行けば抜けていくほど、つまり電極の硫化鉛化が進めば進むほど、結晶がメッチャ広範囲に分厚く育っていきます。JAF様に飛んできてもらう頃には、もうバッテリーの中身は真っ白。電極は結晶にガッツリ覆われています。

(画像引用元:エナジーウィズ. 自動車用バッテリーの基礎知識. A10. (https://www.energy-with.com/qanda/)より。)

もちろん、万が一バッテリーあがりを起こしてしまっても、すぐに充電すれば致命傷を免れることができます。ですが、バッテリーあがりを起こしてすぐ気付くなんてタイミングの良い話もなかなかありません。びっしり結晶が付いた状態で放置してガンコ化が進んでしまうと、そのバッテリーはすっかりポンコツ化しています。ですから一度バッテリーあがりを起こしたバッテリーはさっさと交換してしまった方が良いと言われています。

一番左から順に3つ目までがサルフェーションが進行した正極。4つ目は未使用で充電されていない正極。正極は二酸化鉛なので焦げ茶色。右端は未使用で充電された正極。充電されると正極の二酸化鉛は硫酸鉛に変化する。電極の劣化は主に正極で起こる。(Rainer Kamenz, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

エンジンのクランクシャフト(軸)はメチャクチャ重いので、セルモーターを回すために大きなエネルギーが要ります。放電しなきゃいけない電気の量を仮にペットボトルの水に置き換えてみると、結構な深さの水が必要になります。感覚的には7~8割は入ってないとダメです。これポンコツ化して、例えばペットボトルが3割くらい結晶で上げ底されてしまうと、もうエネルギーが足りません。この時点でクルマのバッテリーとしては「死んだ」わけですが、ペットボトルの中にはまだ、まあまあの電気が残ってます。ですから、クルマのコンピューターには設定データや走行データが保持されて残ってますし、電子ロックやパワーウィンドウ、場合によってはエアコンも問題なく作動できたりします。スマホのバッテリーのようにエネルギー残量がゼロになっているわけではないので、エンジンが掛からなくなったからと言って、ボンネットを開けてバッテリーを外すような乱暴なことをしてはいけません。まあ、そんな方もおられないでしょうが。

一般車用鉛バッテリーのカットモデル。電池(セル)がまっすぐ6つ並んでいることがわかる。大型車用の鉛バッテリーではこれが12個並んでいて24Vを発揮する。それぞれの電極は希硫酸との接触面積を増やすために格子状のスクリーンになっていて、セパレーターを挟んで向かい合っている。また電極は一応合金化されてはいるが所詮は鉛。強度がないのでケースの底から伸びた突起に支える構造となっている。(OpenStax, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons)

ちなみにわが家のセレナはこの3ヶ月で2回のバッテリーあがりを起こしました。両方とも原因は室内灯の点けっぱなしです。致命傷×2の膨大なダメージをゲットしまして、その3週間後に無事お亡くなりになりました。

流石にちょっと掛かりが弱い感じがして、「そろそろ換えなきゃな~」と感じてた矢先でした。感覚よりも実際は結構ヤバい状態だったわけで、もっと危機感を持つべきでした。

D.I.Yの準備

さて、前回バッテリーを交換したのはうろ憶えで6年以上前。2回前の車検に出した際に「今すぐにでもバッテリー換えなさい」と言われてそのまま交換してもらったのですが、車検費用がざっと倍になりました。倍は流石に大げさかもしれませんが、感覚的にはそうで、明細書には工賃込みで10万円近い交換代が書かれていたと記憶しています。この金額も記憶違いの可能性が高いんですが、とりあえず高かった。何ならその時にディーラーの営業の人が「オート◯ックスとかに行って交換したほうが多少安く上がるよ?」と、気の毒がっていたくらいです。わたしがその時余程ヒドい表情をしていたのでしょう。

さて、わが家のセレナ。困ったことに今や駐車場の中で完全に漬物石になってしまいました。ディーラーにもオート◯ックスにも運べません。松任谷さんのエッセイだけを楽しみに年会費を払い続けているJAFを呼んで始動させてもらったとして、公道で立ち往生するリスクを抱えての移動は怖すぎます。セレナさんが気を利かせてアイドリングストップなんてしようものならThe End.ですし、JAFのレッカーでお店に乗り付けるのも大げさすぎる気がします。で、あれこれ考えた末に、「自分でやってしまおう!」という結論に達しました。仮に失敗してしまったら、その時にはJAFのレッカーで派手にディーラーに乗り込めば良いのです。

お馴染みのJAFのレッカー車。JAFの出動回数で一番多いのはやはりバッテリーに関するトラブルなんだそう。(Syced, CC0, via Wikimedia Commons)

まず非常用給電装置をネットで注文します。

この非常用給電装置は乾電池を入れるだけの簡単な装置なんですが、大変ありがたい機器です。

その理由は、これまでにも書いた通り、クルマは常に給電されている前提なので、バッテリーを交換する際に無電状態になると、メモリ上に保存されている様々なデータが蒸発してしまって不具合を起こしかねません。それを防ぐための装置です。車検なんかで整備士さんが使う車両診断装置をつなぐコネクターが運転席周りにあるので、そこにこの装置をつなげて簡易的に給電します。このコネクターはOBD2(On Board Diagnosis 2)という規格で統一されているのでどのメーカーのクルマも問題なくつながります。

次にバッテリーを注文。国産の「タフロング」を注文しました。

セレナ「S-HYBRID」のような、いわゆるマイルドハイブリッドと呼ばれるタイプのクルマは、バッテリーにかなりの負荷がかかるので、かなり高性能なバッテリーが必要です。つまりバッテリー代が鉛バッテリーとは思えないほど高価になります。かといって、信頼が置けない商品を買うのはリスクが高すぎます。始めは新車用鉛バッテリーの国内シェア約8割を誇るガリバー、GSユアサ謹製の「エコ.アール レボリューション」にしようかと思ってましたが、あまりに高すぎたので、カーバッテリーではお馴染みのブランド「タフロング」にしました。

バッテリーの交換

さて、作業を始めます。

ボンネットの中の掃除など一切したことがありませんので相当に埃っぽい絵面ばかりですが、ご容赦ください。

セレナに限らずミニバンのボンネットは開口部が狭く整備性が悪い。(© 2019 kukurunbo)

セレナはバッテリーが吸気ポートの下にあるので、まず吸気プラパーツを外します。

プラ製の固定クリップはマイナスドライバーでこじると簡単に外せる。(© 2019 kukurunbo)
巨大なエアインレットの底面は、ピンでゴムブッシュの上に乗っているだけ(2ヶ所)なので、上の固定クリップを外せば、あとは壊さないように注意してあれこれネジりながら取り外す。(© 2019 kukurunbo)

予習していたので外れにくいとは思っていたのですが、なかなか外れてくれませんでした。何とか外せたのですが、継ぎ手のパーツも一緒に抜けてしまってちょっと焦りました。

取り外した巨大なエアインレット(燃焼用の空気を取り込むパーツ)。巨大な理由は、NISSANと書かれた箱型の部分、レゾネーターと呼ばれる消音のための空間があるため。この装置で袋状の空間内で音を共鳴させることで特定周波数の吸気騒音を低減させるらしい。ちょっと不思議なくらい単純な仕組みの装置。このデッカイ箱の中が空っぽだと思うとちょっとバカバカしい。とりあえず全体的に大きいだけで中がスカスカのプラパーツなんでめっちゃ軽い。(© 2019 kukurunbo)

まあ、気にせず続けます。

バッテリーの固定金具を外します。

左が作業前、右が作業後。プレート(天井の固定金具)とロッド(底のトレイとプレートをつなぐ長いネジ)を止めているナットは10mmのメガネレンチで簡単に外る。ロッドの先端は釣り針のようなカギ型でトレイに引っ掛かるようになっているので少しひねると引き抜くことができる。ただし、一番手前のロッドはプラパーツでトレイに固定されているので外れない。(© 2019 kukurunbo)

ここまで作業して、今度は非常用給電装置を取り付けに車内へ。

通電状態を知らせるようなインジケータは一切なし。滅茶苦茶シンプルな装置。単3の乾電池8本で1時間は大丈夫らしい。今回は充電池を使うのでチョット不安。(© 2019 kukurunbo)
ちょうどハンドルの下にOBD2のコネクター(DLC)があるのでそこに差し込むだけ。何度も言うがこの給電装置にはインジケータが付いていないので、正常に作動しているのかどうか確かめようがない。作動していなかった場合はディーラーのお世話になる。ドキドキ。(© 2019 kukurunbo)

インジケーターで動作確認のできるタイプの給電装置もあります。わが家には余っている単4電池が6本も無かったので単3電池のタイプを選択したのですが、コッチのほうが多分安心して作業できるでしょう。

さて、接続をシッカリと確認して、あとは祈るような気持ちでバッテリーの取り外しにかかります。

バッテリーの取り付けと取り外しには順番があります。外す時には「マイナスから先に外す。プラスは後で外す。」です。

10mmのメガネレンチで外せる。外した後でバッテリーと接触しないように端子に軍手を巻く。このバッテリーは平成31年(令和元年)1月、つまり6年半前に載せ替えたもの。バッテリーを酷使するセレナ「S-HYBRID」に使われたにしてはかなりの長持ち。「PIT WORK」は日産部品のブランド名。もちろんOEM供給で、日産が製造しているわけではない。(© 2019 kukurunbo)

外れました。

鉛バッテリーは重量がヤバいです。手前の小さい方は難なく取り出せましたが、奥の大きいのはなかなか苦労しました。ちょうどいい感じで指がかけられる場所もなく、エンジンルームも狭いため横にてのひらを差し込む隙間はなく、真上にはボンネットが張り出しているため引っ張り上げることもできません。すっごい苦労して何とか引き上げることができましたが、奥の取り出しにくい場所に大きくて重い方のバッテリーをセットするよりも、逆のデザインにした方がいいんしゃなんじゃないかと思いました。ミニバンのエンジンルームは本当に作業性が悪いですから、デザイナーさんは大変です。

セレナのエンジンルームは狭く、何もかもがギチギチに詰め込んである。バッテリー交換ではこの引き抜き作業が最大の難所と言っていい。後バッテリーのさらに奥に見えるのがエアクリーナーボックス。つまりエアクリーナーを交換する際には一度バッテリーをも取り外す必要がある。整備士さんも大変。(© 2019 kukurunbo)

バッテリーを入れてしまうと見えなくなるので、先にエアインレットとエアクリーナーボックスをつなぐ継ぎ手パーツを差し込んでおきます。

カポッとハメるだけ。簡単すぎて不安になるほど。(© 2019 kukurunbo)

新しいバッテリーをセットします。

新しいバッテリーには取っ手(げ手)がついていてメチャ楽でした。固定金具も固定。

前のバッテリーに付いていた薄い乳白色のプラカバーをハメてからインストール。固定用のプレートには矢印が付いていて、矢が指す方を前方(フロントグリル側)に向ける。あとは10mmレンチでシッカリ締め付ける。ロッドのフックが上手くトレイの穴に掛かっていないと危険なので、バッテリーを前後に思い切り揺すって確認する。(© 2019 kukurunbo)

端子をつなぎます。つなぐ時はプラスから先につなぎます。外す時の逆です。

レンチでガッチリ締めてしっかり圧着させる。終わったら仕上げにシリコンスプレーで端子をコーティング。絶縁体であるシリコンの被膜が端子の劣化防止にどの程度寄与するのかは不明。たぶん「しないよりはマシ」程度。(© 2019 kukurunbo)

バッテリーの取っ手が邪魔でプラス端子のカバーが浮いてしまっています。インストールする時には有り難かった取っ手が、今度は邪魔になってしまいました。

ん?

取っ手に外すように注意書きがあります。

セットして終わった後で今さら抜けるのか?とも思ったが、問題なく外れた。(© 2019 kukurunbo)

なるほど、捻ったり押したりすることで簡単に外すことができました。

これでプラグカバーが浮く問題も解決しましたし、キレイに収まったのでエアインレットをかぶせます。

外す時とは違ってハメるのは簡単。固定クリップを押し込んで完成。それにしてもこの巨大なボックスがただの空洞だとは。(© 2019 kukurunbo)

エンジンルームの原状復帰を確認して、ドキドキしながら給電装置を外します。そしてエンジンボタンを押すと…。

ボタンを押すと即座にエンジン始動。この当たり前が飛び上がるほど嬉しい。ここ1週間ほどチョット溜め・・があってから始動していた。(© 2019 kukurunbo)

かかりました!何とスムーズな始動!

計器にも異常が表示されません。いや~大成功!

前半の話にも書きましたが、鉛バッテリーはスタートボタンを押して掛かりがチョットでも「遅い」と感じたら、サルフェーションの進行によってバッテリーの容量が低下している可能性が高いのでサッサと交換したほうが吉です。「最近なんか微妙に弱いな~」と感じ始めたら、それはかなり危険な兆候ですので動かなくなる前に交換しましょう(体験者談)。

発電機の確認

バッテリーではなく発電機(オルタネーター)に問題があるのかもしれまいのでエンジンルームの音を確かめます。

セレナの発電機は日産が「ECOモーター」と呼ぶもので、これは発電機にアイドリングストップからのエンジン始動に使うモーターの機能をやらせようというものです。これ自体は取り立てて珍しい機構でもないんですが、さらにわが家の「S-HYBRID」タイプのセレナの発電機は、エンジンの駆動力のアシストもコレにやらせちゃお!という欲張りタイプでして、本業が発電の機械にそんなことまで任せて大丈夫か?と不安になるのですが、案の定あまり大丈夫ではないらしく、ちまたの整備工場ではよく壊れることでお馴染みなんだそうです。

セレナ「S-HYBRID」のECOモーターは、通常の交流発電機(オルタネーター)に回転センサーとドライバー回路を付け加え、同期モータとしても働くようにしたもの。スターターモータとオルタネータの両方を作るValeo社だから出せた製品とも言えるが、他社が全く追随していない事からも、間違いなく設計に無理があるキワモノ製品。そして超高価。(© 2019 kukurunbo)

この発電機によるアシストは、CVT車に特徴的な欠点を補うために使われるのですが、アシストのパワーが小さすぎて全く体感できません。そりゃあ、発電機ですからね、大したことはできません。ですが、オルタネーターという高回転に強い交流発電機だからこそデキる芸当でもあるので、そんな撫でる程度のアシストでも、やれるだけでエラいんですが、この発電機を生産しているのは世界でフランスのValeo社ただ1社のみです。こんなムリ難題を引き受けてくれただけでも日産はルノーの傘下に入って良かったわけですが、「ハイブリッドです!」と名乗らせるために発電機になかなか酷なことをさせています。

で、実際のところ、この過剰ノルマ気味の発電機はいつ壊れても不思議ではなく、「エンジンルームから異音がしなきゃいいな~」とヒヤヒヤしながら確認したのですが、どうやら大丈夫。わが家のセレナの発電機は運良くまだ元気なようです。良かった。

とりあえず異音なし。この発電機の交換は発電機本体だけでも20万円弱。工賃の加算を考えたら買い替えたほうが良いかも。(© 2019 kukurunbo)

タフロングの取っ手

さて、これにて作業は終了したのですが、新しく換えたタフロングに付いていた取っ手。思いつきで古いバッテリーに付けてみると…なんとシンデレラ・フィットしました。

「どうやらバッテリーのアタッチメントは規格化されているのかも!」と、ビックリしまして、この事を作業前に知っていれば作業がずっとラクに済んだはずで、こんな小さな知識ですら知ると知らないとでは大違いなんだな~。と、知識の大切さを再確認しました。

交換したバッテリーにピッタリはまる。「PIT WORK」は日産部品のブランド名。もちろんOEM生産品。(© 2019 kukurunbo)

が、この文章を書きながら写真をチェックしてみますと、

製造元のメーカー名を発見。

取り外したバッテリーは日立化成の製品であることが判明。(© 2019 kukurunbo)

日立化成ってバッテリー出してたっけ?

そこで、あれこれ検索してみたところ、ディーラーで前回換えてもらったコレ、実は今回交換した物と全く同じバッテリーだったことが判明しました。

エナジーウィズ

今回買ったバッテリーは「タフロング」。メーカー名はエナジーウィズとなっています。

エナジーウィズ社のロゴマーク。ビックリするほど馴染みのない社名。初めの内は中国の会社と疑ったほど。(Energywith, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

で、調べてみるとこのエナジーウィズ社、ルーツとなる社名は日立グループの一員である新神戸電機でした。新神戸電機は聞いたことあります。

この新神戸電機は2016年に日立化成に吸収合併され、その蓄電池部門となり社名も日立化成となります。が、2020年になると今度はその日立化成を昭和電工が吸収合併。蓄電池部門の名前は昭和電工マテリアルズとなります。しかしさらにその翌年の2021年、昭和電工は昭和電工マテリアルズを大手リースの東京センチュリーに譲渡します。そしてできた新しい社名がエナジーウィズです。東京センチュリーは今流行りの再生可能エネルギーやデータセンターそしてレンタカーの事業に注力してまして、「自前の蓄電池部門があったら絶対便利だ!」と思っていたようです。

東京センチュリーは非自動車メーカー系の老舗「ニッポンレンタカー」の親会社でもある。(Yprap, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

つまりこの鉛バッテリーのメーカーは、「新神戸電機(1969年~)」→「日立化成(2016年~)」→「昭和電工マテリアルズ(2020年~)」→「エナジーウィズ(2021年~)」と所属と名前がコロコロと転がるように変わっているのですが、しかし日産の純正部品に採用されるような実績のある信頼の置けるちゃんとしたメーカーみたいです。何ならさらに時間を遡れば、新神戸電機のルーツは大正五年(1916年)設立の柴田蓄電池研究所ですから、まさにに国産バッテリーの草分け的な企業です。

この「タフロング(Tuflong)」シリーズは2000年に販売を開始したらしく、「日刊自動車新聞用品大賞 2022 」でロングセラー部門賞を受賞してます。会社がまだ新神戸電機だった時代に始まったシリーズで、会社の支柱的なブランドのようです。

鉛バッテリーにおかる最大の企業は米国のClarios(クラリオス)で世界シェア20%強を誇る。日本勢はGSユアサとエナジーウィズ合わせても5%弱。鉛バッテリーはリチウムイオンバッテリーの印象が強い電気自動車(EV)にも使われている。

わが家のセレナ「S-HYBRID」のような、いわゆるマイルドハイブリッドと呼ばれるタイプのクルマは、オルタネーターだけでなくバッテリーにもかなりの負荷をかけます。バッテリーの負担が高いのはマイルドハイブリッド車だけではなくて、アイドリングストップをするクルマ全般に言えることなんですが、わが家のセレナも暇があったらアイドリングストップしてるので、相当高性能なバッテリーでないと負荷に対応できません。つまりバッテリー代が鉛バッテリーとは思えないほど高価です。かといって、信頼が置けない商品を買うのはリスクが高すぎます。抜群のネームバリューと市場シェア誇る、GSユアサの「エコ.アール レボリューション」にするかかなり迷いましたが、タフロングにして良かったです。わが家のセレナで約6年半保った製品です。結果的にリピートすることになったわけですが、品質的には間違いないでしょう。

今回かかった費用は、バッテリー代が2万6千円弱、そして給電装置が2千円弱。総額3万円弱でした。交換にかかった時間はだいたい30分。思ったよりサクサクできましたし、計画的でないトラブルから始まった交換の割に、スムーズに終わらせることができました。トライして良かったです。

バッテリーの処分

ただ、正確には交換作業はまだ終わっていなくて、あとはバッテリーの処分の問題があります。クルマ用の鉛バッテリーは100%リサイクルに回されるため、自治体でゴミの処分はできません。鉛と硫酸がキッチリ次のバッテリーの材料となるシステムが機能しています。ですので、通常ならカー用品の量販店や自動車整備工場とかガソリンスタンドに持ち込んで処分してもらいます。絶対にゴミに出してはいけません。鉛も硫酸も非常に有害な物質です。

鉛バッテリーの回収施設で溶けた鉛をビレットに注ぎ入れる作業員。蒸発した鉛を吸引すると非常に有毒なので、特殊なマスクを装着し、過剰暴露を防ぐプログラムの下で作業に当たる。(National Institute for Occupational Safety and Health (NIOSH) from USA, Public domain, via Wikimedia Commons)

わが家はとりあえず自宅で保管しておいて、知り合いの農機具屋さんに声をかけて処分のお願いをしてみようかと思っています。着払いの荷札を買って送ると処分してもらえるサービスも有るようなので、引き取ってもらえなかったらこれで回収してもらおうと思います。

参考サイト

Wikipedia(レゾナック東京センチュリーアドバンテッジパートナーズヴァレオ新神戸電機オン・ボード・ダイアグノーシスニッポンレンタカーサービス)、エナジーウィズ株式会社東京センチュリー蓄電池バンク 蓄電池専門用語集公益社団法人 日本電気技術者協会 電気技術解説講座 二次電池について(1)鉛蓄電池古河電工時報 第120号(平成19年9月)自動車用鉛蓄電池の技術動向東京デバイセズ 技術解説 2015年3月27日 鉛蓄電池の充電方法: バルク充電・アブソーブ充電・フローティング充電の違いMONOist いまさら聞けない 電装部品入門(1)自動車唯一の電源、鉛バッテリーの仕組みカーシェアリング比較360°カーシェアリング市場動向 2024年第一四半期:主要5社Life is so Beautiful Blog 日産セレナ|吸気口(インレットエアダクト)の外し方|バッテリーへのアクセス日産セレナ エアダクトの外し方Hatena Blog DIY&ToolBox 《C26セレナ S-Hybrid》エアダクト・レゾネーターの外し方日経クロステック2014年1月号 メガサプライヤーを選ぶ理由Motor-Fan TECH 日産S-HYBRIDとはどんなハイブリッドシステム?[内燃機関超基礎講座]Mordor Intelligence 自動車用オルタネーターの市場規模と市場規模株式分析 – 成長傾向と成長傾向予測 (2024 ~ 2029 年)グー ネット マガジン 車のダイナモ(オルタネーター)の故障時はどうすればいい?原因や対処法を解説DPFドットコム オルタネーターとは?値段や寿命はどのくらい?故障原因からオーバーホール費用も!グー ネット マガジン バッテリー&オルタネーター完全リフレッシュ 【3】タイヤワールド館 BEST オルタネーターってなに?!役割と交換にかかる費用や時間イーデザイン損保 自動車保険 自動車保険ガイド 自動車お役立ちコラム バッテリーが上がってしまった!その原因や症状・対処法を解説!グー ネット ピット 日産C26セレナ アイドリング中ガクガクする エンジン止まりそう! 佐賀県・小城市・協和自動車「Anakinの部屋」R1150GSの充電トランジスタ技術 2014年1月号 第3部 電池の王様 鉛蓄電池入門 第6章 基本!鉛蓄電池の使い方Web!ke+ 鉛バッテリーの突然死はなぜ起きるのか?High Grove, Inc. ECO system for the lead-acid battery ■バッテリー内部の充電・放電メカニズムINFUSE バッテリー再生事業 鉛蓄電池についてディールラボ 鉛蓄電池業界の世界市場シェアの分析CLARIOSLEDs Magazine Japan 2016.6 LED ヘッドライト、形状と機能で進化Audi MediaCenter 2020年12月7日ブランドを象徴する美しいデザインと妥協を排した機能: 進化を遂げるアウディの照明デザイン、など。

画像、動画元サイト

Wikimedia Commons、エナジーウィズ株式会社vimeo、など。

kukurunbo@くくるんぼ

岡山市在住の野良キュレーター。
「まとめ小部屋」的な意味でくくるんぼ(括るん坊)です。
日常を豊かにするリーダーズ・ダイジェストを目指しています。
食に関するコンテンツが好きです。

kukurunbo@くくるんぼをフォローする
EventfulEncounters
シェアしてください
kukurunbo@くくるんぼをフォローする

コメント