スペイン転生物語 ~邪教に滅ぼされそうなので、魔界で無双してみた~。
大西洋は俺たちのモンだ!
コンスタンティノープル陥落事件で膝から崩れ落ちるほどのショックを受けたスペインとポルトガルは、新たな交易路と未知のキリスト教世界を求めて、キャラベル船に、敵であるムスリムの商人たちが使う三角帆や羅針盤などのテクノロジーをインストールして、大西洋を狂ったように東奔西走しはじめました。とりあえず「明日は我が身」なわけで、ムスリムに征服される恐怖が彼らを「まだ見ぬ海の向こうにあるかもしれない異世界」へ向かわせました。下手な鉄砲数撃ちゃ当たる戦法でしたが、とりあえず大西洋沖に出ると南向きの海流があるので、それに乗ってアフリカ西岸まで南下し、そのままアフリカの沿岸沿いを廻って喜望峰を通過してインドにまで到達する交易ルートを確立しました。このルートは国土が大西洋に面しているポルトガルが速攻で押さえました。押さえると言っても銃と砲も使って土地を占拠して拠点化する荒っぽいやり方です。拠点ができると補給と整備ができるので、航海距離をどんどん延長できるので、長大な交易ルートができました。

一方でポルトガルに出遅れたスペインは、仕方なく、アフリカ西岸から西に流れる海流に乗って大海原を進むことにしました。それに乗って危険度マックスの大西洋を横断すると、幸いなことにいくつかの島々やその先に広い感じの陸地も見つかりました。原始人か亜人のような連中もいました、銃どころか鉄も文字も持っていない得体のしれない連中でしたが、銃と砲で開拓者たちは各地を簡単に占拠することができました。拠点を築きながら先へ進むと、やがて海流は北に流れ始め、それに乗ると今度は現在のキューバあたりで海流は東に向きを変え、そのまま自国に流れ着くことができました。意外なほどあっさりと大西洋に交易ルートができました。

異世界の亜人どもはなぜか豊かで、なぜか友好的な連中もいて、交易ルートはすぐに軌道に乗り始めました。するとスペインは「あれ?俺このまま異世界で無双できるんじゃね?」と思い始め、先に飛び石航法で世界中の海岸に拠点を築きまくって儲けまくっていたポルトガルと一緒になって、二国は荒唐無稽な条約を結びます。「現在のブラジル東部あたりで世界を切り分けて、東はポルトガル、西はスペインの土地ってことにします!」と宣言しました(後のトルデシリャス条約)。この二国による世界支配という、中学生の自意識のような、身勝手極まりない妄言は、そこに史上最低のローマ教皇と名高いスペイン出身のアレクサンデル6世が裏書きをして権威が付いたことによって、キリスト教世界の中の公文書的なものになってしまいました。

ポルトガル、香辛料を独占して大歓喜。
この取り決めは、ポルトガルに有利なものでした。より「詰んだ」立地だったポルトガルのほうが「狂気の大航海」を、スペインよりも挙国一致で敢行し、先行して各地に中継地を開設していたからです。これよりポルトガルは、新大陸には現在のブラジルのサルバドルあたりに拠点を作った程度で、未知の新大陸を冒険して開拓するというリスクを犯すことなく、ヴァスコ・ダ・ガマが開拓したアフリカ喜望峰経由の「インド航路」を伸展させることに心血を注ぎ、香辛料交易で莫大な富を稼ぎながら距離を伸ばし、ついに香辛料の唯一の産地であると当時信じられていたモルッカ諸島に到達。やがてモルッカ諸島の直接的な植民地経営に乗り出し、香辛料貿易を独占するに至りました。




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